(2)
さて、何をしようかと思った。
学校は嫌い、
友達も嫌い、
親もあてにならない、
教師もあてにならない、
マスコミを見れば仲間が自殺してる
どうしたらいいんだろうと思った。
蜘蛛の存在はエロティックだけど
こいつはだめだと思った
何が天空の蝶だと思った
何が天空の蝶を羽ばたかせるのが
夢だと思った。
俺はもし、この天空に佇めたら
もっと素晴らしいことをすると思った。
スパイダーマンを思った。
少年は思った
学校
友達
両親
教師
マスコミ
そうしてこの天空の蜘蛛、
死んだ天空の蝶
こいつらをゼンブ超えられると。
完全に思った。
蜘蛛が何もしないからだ。
神になれるのにと思った。
天空の蝶にばかり気を取られ
神にならないのがしょぼいと
でも蜘蛛はバカだから、
蝶にばかりこだわっていると
そうだな蝶のように羽ないもんなと
そうだな鳥のように翼ないもんな
雲の真下しか下りれないもんなと
哀れに思った
傲慢かも知れないけれど、
哀れに思った
死ぬなら
クモだと思った
天空の蝶を捕らえたクモは
万死に値すると思った
心の中で舌打ちした
最後にお別れした
あんたと会えたのは最高だった
目からうろこだった
これでいじめから
卒業できる
僕は働く
働いてスキルを磨いて
起業する
上京するつもりだと
学歴がないのはハクにすると
そうしてクモに言った
いつまでも死んだ蝶ばかり愛でてんな
あんたもなんか素敵なことをしてやりなよ
それがあんたの義務さ
後責任とって
天空の蝶を増やせよ
あんたがぜーんぶ悪いんだらなと
傲慢ながらも2個あなたに宿題を出しますと
少年は言った、
この天空の蝶の卵はあんたと出会い
最高の開眼をさせてもらった記念に取っておくと
孵化はしない
この地上の最高の宝石として取っておく
で、俺が会社を作って繁栄したら、
飾りまくる
家宝にして
代々受け継ぐ
ビッグになったら
博物館に収めるから!
歴史的な遺物として!!
少年は
再びクモの糸の天然のエレベーターに
乗った
そうして日常
地上に舞い降りた
そうして
天空を見上げ蜘蛛にさよならをする
蜘蛛は少年の言葉に傷ついたのか
ちょっぴりしょぼーんとしていた、
少年は言い過ぎたかな?と
ちょっと苦笑いする
卵をもう一度握り締め
大きく手を振る
蜘蛛はちょっと笑顔を取り戻す
少年はそれを見て
とびっきりの笑顔になり
両手で大きくさよならをし続ける
蜘蛛はするすると糸をたどり
雲の棲家に戻っていった
少年は
キラキラ光るこの世のものとは思えない
蝶の卵宝石を見つめ
にっこりと笑うと
自宅へ舞い戻っていった
少年はバイトを始める
貯金を始める
家を出る準備を始める
目指すは上京だ
1円で株式会社を興すつもりだ
少年の人生は夢に溢れている
それを見て
親は胸をなでおろす
裏切った友が
少年の笑顔に反省し、
友達に戻る
少年は会社を起こすことを友に語る
一緒に上京することになった
それを見たいじめっ子達は
毒気を抜かれ
それでも知らん顔をして
二人で夢を語る
学校の先生は助けられなかったことに
しょぼーんとして反省し、次はちゃんと助けてやろうと
心の中で決意する。この少年がなぜ笑顔になったのか
分からないけれど、本当に良かったと安堵する。
天空の蜘蛛はどうなったのだろうか、
彼らが寿命が長いことだけは
少年は知っていた
蝶は増やせたのか?
たまに思う。
まだ蝶の死骸を愛しているのだろうか?と
思う。
蜘蛛はあれから、
何もしてくれなかったのかな?と思う。
少年は友情で会社を興し
それぞれに家庭を持った。
蜘蛛はまだ孤独なのだろうか?と思った。
蝶を復活させる魔法の薬であればいいのにと思った。
2015/10/08 by 綾香