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雲と雲の間に巣を張る蜘蛛

ピンク色



別称

天空の蜘蛛



特性、雲の間に巣を張り天空に在住

鳥をエサに、ゴクラクチョウが友達

飛行機の客を眺め、パイロットと目配せ



糸をたらし地上付近まで降りてくる

すぐに戻っていく



いじめられっこ

親、教師、クラスメート、好きな

尊敬するテーマを込めた作品を書くアーティストに

救いと憧れを持って会いに行くも相手にされず



自殺をすることに

ビルの屋上で飛び降りるわけもなく

死をイメージして見下ろしていると

フェンスの向こう側に

ピンク色の雲が糸をたらし

降りてくる



少年がその雲の美しさと

天空から降りてきたことに唖然としていると

蜘蛛が言う



のりな!

地上になじめないんだろう?

いいところに連れて行ってやる

悪い気にはさせないよ



素敵な場所

お気に入りの場所につれていってやろう



少年は自殺するのは怖いし、

家族も死んだも同然なので、

地上をひとたび捨てることにしました



蜘蛛について行き

空の蜘蛛の棲家へとたどり着きます



少年は脅えます、

綺麗な蝶がひっかかっていること

鳥がひっかかっていること



蜘蛛は言います

この蝶は特別な蝶で



天空の蝶だよ

本当は捉える気は無かったんだけど、

本当に珍しい高貴な蝶だからね

死んじまった



敬意を称して食べるしかないと思っている



僕は願っている

天空の蝶が再び舞いますようにと

でもね実はこいつメスなんだ、

卵いっぱい



培養しているところ

天空の蝶で空を一杯にすることが

俺の夢なんだ



僕はこの天空の蝶を愛しているんだ

死んでいるけどね

だから食わずにこうしてとって

眺めているんだ

愛しているんだ

干からびないように

たまーに霧吹きで水を

防腐剤をやってね



だからいつまでも

素敵だろ?



目下の悩みは

普通の蝶のオスの精子で孵化するかな?ってこと

もう一匹オスの天空の蝶が現われたらいいのにね

すぐにあてがって



天空を天空の蝶で溢れ返させる気だ

俺の夢なんだ



そこはきっと極楽だろうよ



少年は、ぴんと来なかったのが蜘蛛はよくわかり

一人で苦笑いしました。



どこ見たい? と天空の蜘蛛は言います。

俺は雲の中しか移動できないから、

行動範囲は狭いけど。雲の広がる嵐が大移動の

チャンスなんだ、



嵐の時にシュパパパと動いて、

別の場所に移動する。



後は雲のある下にしか下りれない。

地上まで降りると僕はただの蜘蛛になり、

踏み潰されることもあるからね、

ビル以上、木々以上の高さには下りないようにしている。



そうだな、

今は丁度学校の真上だから、

お前の学区内なら降りれる。



降りたくないよね。

雲の間を移動するまで一緒にいるかい?

次の嵐が来るのはいつかなぁ?



このままだと浦島になっちゃうか?

どうする?



まだ人生に絶望してる?



プレゼントをやろうか?

天空の蝶の卵を一つお前にやろう。

コイツを普通の蝶のオスの精子をかけて

孵化させてやってくれ、



質は落ちるが、

きっと今いる地上の蝶を

凌駕する素敵な蝶が孵化するよ。

気が向けば増やしておくれ!



おながすいた?

何食べる?



どっかから取ってきてやろうか?

ココには鶏肉と天空の蝶の死骸しかない、でもこれは

僕のもんだから、やんない!



鶏肉でも焼くか?

少年は鶏肉を食べた。



普通よりちょっとクセのある味で

でも鶏肉と大して変わらなかった。



少年は次第に飽きてきた。

だけど、学校のある生活に帰りたいとも思わなかった。

だけど、天空の蜘蛛の日々はつまらなく、

テレビすらない。

眺められるのは地上の点々だけ、

しかもとびっきり遠い。

何も見れない。



宿題を思う、

裏切った友を思う。

両親を思う。

いじめを決してとめない、

全てを被害妄想として蓋をする

教師を思う。



死ぬ気は沸かなかった。

だけど天空の蜘蛛の生活は悠久で、

あきれ果てた。



この蜘蛛は何もしないと思った。

蜘蛛ができるのは雲の巣をはることだけ、

捉えた天空の蝶の卵を孵化させるという

夢を語ることだけ。



少年は思った。

こいつダメだと。



でも、卵はもらって帰ることにした。

宝石のように家の押入れの中にしまいこむことにした。



さて、何をしようかと思った。

学校は嫌い、

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2015/10/08 by 綾香