鳴くのを止めた
ほととぎす
檻の中で
ひっそりと
一人
観客もなく
鳴いてるの
おい
わんころ!
誰にでも
おまえの
白いふかふかの
腹を見せつければ
いいってもんじゃない
おい
わんころ!
この世には
おまえの見せた
白くてぬくぬくとした
まぁるい腹を
優しくなで上げるどころか
無言で
踏みつける奴もいる
そうして
おまえの
内臓が
破裂しようが
おまえが
痛みで
口から泡を吹こうと
そいつは
笑っているのさ
おい
わんころ!
おまえが
大事な大事な腹を
見せるときは
相手をよーく見極めろ
おい
わんころ!
相手によっては、
しっかり威嚇して
ほえあげたり
一発向こうずねに噛み付いて
チビらせてやることも
よくよく考えておけ
(title.「犬の知恵」)
<2003/11/16>
檻の中の
ネズミは
何を考え
日々を生きているのだろう
過剰なる
繁殖を
恐れられ
つがいを
あてがわれるでもなく
ただ
一匹
ぽつんと
たたずみ
餌をはんでいる
奴は
何を考え
日々を生きているのだろう
与えられる
餌を食(は)み
与えられる水で
のどをうるおし
時の許すまま
ただひたすら
惰眠をむさぼり
一体
何も感じないのだろうか?
果たしてこれは
幸せなのだろうか?
何もかもをあてがわれ
ただそれを費やすだけの日々
閉じられた世界で?
わからない
だけど
ネズミは
しばしば
檻を食(は)む
がりがりと
前歯を
つきたてながら
食み続ける
ああ
やっぱり
お前のような
ちっぽけな生き物でも
これだけの
人生では
満足できぬか
お前が
日々
食みつづけ
それに耐えられなくなった
檻が破れ
そうして
お前が
いつの日か
檻の外に飛び出した時
そのとき
お前は
真っ先に何をするんだろうな?
お前はいったい
何をしたいのだろう?
外界に
何を期待し
今も今
檻を食み続けるのだ?
<2003/07/23>
僕を
癒してくれたのは
ちっぽけな
ネズミ
当時の
僕は
ズタボロで
それ以上
大きなモノを
守る力が
もはや
何一つ
残って無かった
お前は
ちっこくて
かわいくて
非力に見える癖に
すばしっこくて
何でもモリモリ食らい
そして何よりたくましい
高い所から
落ちたって死にやしないし
何度だって
しつっこく
はいあがる
だから
お前を選んだんだ
お前は
決して死なない
例え僕が
ちっとも守れなかったとしても
たくましく自分で生きてくれる
お前だろうから
だから
お前を選んだんだ
みんなは
笑うけどね
ハリネズミの
ジレンマって
まるっきり
バカみたいだろう?
寒いからって
互いに傍によると
お互いが
お互いのトゲトゲに
チクチク
チクチクって
つっつかれて
痛いのなんのってさ
ハリネズミの
ジレンマって
まるっきり
バカみたいだろう?
寒けりゃ
布団を掛ければいい
コタツだって
ストーブだってあるさ
ホッカイロだっていい
なんなら
そのトゲトゲを
思い切って
脱いでしまえばいい
そうして
いっその事
ハツカネズミや
砂ネズミと
仲良くするのさ
<2002/11/01>
全てが台無しになって
お開きになっちゃって
白けちゃって
カーカー
カラスが鳴いてんの